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10年に1度のチャンスを、逃したくなかった

坂本登史文

執行役員 COO

経歴

京都大学大学院理学研究科修了。新卒でソニーグローバルソリューションズに入り、SAP導入プロジェクトに携わる。

その後DeNAでデータマイニングエンジニアとして、MAU100万規模のゲームタイトルの分析を担当。

2014年にfreeeに入社し、データ分析チームの立ち上げとグロースチームのリードを経て、2015年から執行役員プロダクトマネージャー。会社設立freeeの立ち上げなどを担当。

2018年からミラティブで執行役員プロダクトマネージャー。2025年からREALITYで執行役員プロダクトマネージャーとして、アプリの仕様・体験・コミュニティを統括。

2026年9月、蒼に執行役員COOとして参画。

10年に1度、産業がまるごと入れ替わる

入社ブログを読んでいただきありがとうございます。

私はキャリアを通じて「産業が伸びる芽を見つけて、その産業を伸ばすことをする」ということをやってきました。新卒でIT系を選んだのも、ゲームチェンジが起こりやすい業界にいたかったからです。

私が中学生のころ、日本にインターネットが普及しはじめました。夜な夜なチャットに明け暮れていたころ、世の中ではAmazonやGoogleが生まれました。

そこから10年ほどして、クラウドの波が来ました。Salesforceが「NO SOFTWARE」を掲げ、インストール型からクラウド型への移行を進めていた時期です。SalesforceとAWSが産業になり、日本ではfreeeとマネーフォワードが生まれました。

私はfreeeの18番目の社員として入り、最終的には執行役員プロダクトマネージャーをしていました。会計という、紙とExcelとWindowsソフトで何十年も回っていた業務が、ブラウザの中に移っていくのを推進しました。会社設立freeeというサービスを立ち上げたことや、エンタープライズプランを作ったことが印象に残っています。

クラウドの次に私が選んだのは、ライブ配信とVTuberでした。まだ10人程度だったMirrativに入り、事業を推進しました。産業の入れ替わりという意味では、ここまでの波より一桁小さい話です。それでも構造は同じでした。入ったころは売上がほぼ立っていないフェーズでしたが、そこからマネタイズ施策を重ね、Mirrativの売上をユーザーに還元する仕組みをつくりました。多くの配信者さんが夢をかなえたり、Mirrativが居場所になったりする。それを提供できたのは感慨深いです。

そしていま、AIの波が来ています。アメリカではOpenAI、Anthropic、Palantirが生まれています。

日本でのその席はまだ空いています。ここに蒼が入る。そんなチャレンジをしたいと思いました。

賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう?

「賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう?」

ピーター・ティールが『ゼロ・トゥ・ワン』で投げかけた問いです。私はこの問いが好きで、波の入り口に立つたびに思い出します。

私がfreeeに入社したとき、「クラウドにデータを置くなんてアホのすること」という風潮がまだありました。「動きももっさりしているし、プロはそんなもの使わないよ」と何回も言われました。それでも、10年経てばそんなことを言う人はいないと信じて、導入を進めていきました。たしかに当時は、クラウドの信頼性やセキュリティへの批判もありました。でも今は「クラウドだから危ない」ではなく、「そういうずさんな管理をしている会社もあるよね」という受け止め方に変わっていると思います。

VTuberもそうです。「絵じゃん」「誰が見るの?」という言葉を何回も聞きました。そもそもiPhone Xが出るまで、スマートフォンでフェイストラッキングができる時代ではありませんでした。それでも端末の進化とライフスタイルの変化を信じて、プロダクトをアップデートしていました。今では大手事務所のVTuberが武道館でライブする時代です。

で、AIに意思決定を任せる。

クレイジーに聞こえますよね。ハルシネーションするじゃないか、責任を取る人がいないじゃないか。そういう反論がたくさん出ると思います。

でも私には見えています。10年後には自動運転が普及し、人間が運転するほうが危ないと言われているはずです。保険にはAI運転を前提とした特約ができていて、そのほうが保険料も安い。そんな未来になっていると思います。

そんな未来をつくりたい。それが、私が蒼に入社した理由です。

数あるスタートアップのなかで、なぜ蒼なのか

一言でいえば、社風です。

代表の橋本と取締役の小林がDeNA出身ということもあり、「ロジックと根性が同居している」ところです。ソフトウェアそのものでの差別化が効きにくくなるなか、成長のキードライバーは「社風」だと思っています。やると決めたらやり抜く。仮説が間違っていたらすぐに修正して方針を変える。課題は大きければ大きいほどいい。こんな考えを持っている二人と一緒に働くことは、単純に楽しいですし、エキサイティングです。エンタープライズの業務をプラットフォームとして解く。これに関しては、日本で一番考え抜いている二人だと思います。

私はそんな二人が事業と未来に集中できるよう、それ以外の採用、社風、KPI設計、オペレーションに集中することにしました。自分で言うのも恥ずかしいですが、データ分析とプロダクトづくりのキャリアを通じて、データやAIといったテクノロジーの扱いは、ビジネス職のなかでは自分の強みだと思っています。

入社後にやっていること

COOとして、全社がうまく回ることを担保しています。入社1週間くらいではこんなことをしていました。

会社の状況が週次で見える状態をつくる

全社員が毎週、自分の目標に対する進捗と達成可能性を報告する仕組みを回しています。金曜が締切で、未提出があれば私が個別に声をかけます。地味な仕事ですが、経営の異常を週次で見つけて直すには、まずデータが揃っていないと話になりません。いまは「一気に見える化されてきた」という感想が経営陣から出るところまで来ました。

採用を仕組みにする

代表の橋本が持っていた採用を引き継ぎ、採用全体に責任を持つ状態にしています。スカウトの送信、返信の追跡、候補者の管理はできるかぎり自動化して、人がやることを判断と面談だけにしていく。私自身も毎週、面接に入っています。

投資家コミュニケーション

資金調達の必要額・時期・条件を整理し、事業計画や企業価値への影響を経営陣として説明できるようにしています。ここは取締役の小林と一緒にやっています。蒼の経営ストーリーや、株式会社として何を価値とするのか、といった議論も日々しています。投資家の方々とのミーティングを重ね、資金調達はいよいよ大詰めを迎えています。ひりつくような日々ですが、スタートアップならではの緊張感を毎日味わっています。

こうして並べると雑多ですが、共通しているのは「創業者が事業と未来に集中できるよう、それ以外を引き受ける」ということです。そして、その多くはAIと仕組みで解けます。社内の課題をAIや仕組みづくりで解決していく日々は、非常に楽しいです。

未来のなかまへ

私が一緒に働きたいのは、執着心のある人です。

freeeで新卒をプロダクトマネージャーに抜擢したことがあります。理由は、その人が「人はなぜ経費精算を嫌がるのか」を本当にずっと考えていたからです。

人間がやるべきことは「考え続けること」だと思っています。LLMが得意なのは、筋の通った思考を高速に積み上げることです。一方で、離れた点と点を突然つなぐような飛躍は、まだ人間が担保すべき領域だと思っています。

顧客とプラットフォームのことを考え抜いて、価値を出す。当たり前のことですが、その当たり前を徹底的にやりきることが競争力になる時代だと思っています。

まだまだスタートアップであり、泥臭い仕事が多いです。それでも、未来を切り開くために一生懸命に切磋琢磨したい人には、ベストの環境だと思います。